こんにちは、ポイパラ(@poi2para)です。タッチでポー、やってますか?
こちらが、コンタクトレス / contactless_cashlessさん(@ntctls)が世界初の「#タッチでポー」ツイートを振り返っているリツイートです。詳しいことはわからないのですが、2019年のクリスマスの翌日からその歴史始まったようで、いまでは決済界隈のツイートでしばしばこのハッシュタグ付きで珍しい決済をしたときなどのツイートがなされています。「ポー」の部分はその決済音由来です。ちなみに、決済端末のタイプによって、音は異なるようです。音の大きさ(dB)、音程(Hz)、音色(1周期の波の形状)すべて異なります。
私もまねて下記のようにツイートしてみました。正解なのかはわかりません。
と、前段はこれくらいにして、本題に入っていきましょう。この記事は、現段階では少し薄めの記事ですが、今後もう
タッチ決済(コンタクトレス決済)とは
基本的なことと、一部のお店での宣言方法などについては、以前まとめた下記記事をぜひご覧になってください。
荒っぽくコンタクトレス決済について消費者の立場から箇条書きにすると、こうなります。
- 日本独自の規格”Felica”を活用したSuica、iD、QUICPayなどに対し、グローバルな規格”NFC Type-A/B”ベースの非接触決済手段で、海外でも使えるところが多い
- あくまでもクレジットカード決済の読み取り手段の1種という位置づけで、歴史的にはインプリンター⇒磁気ストライプ⇒ICチップ、に次ぐ4番目の決済手段で、レシートには”CL”と表示される(磁気ストライプ=”MS”、ICチップ=”IC”)
- コンタクトレス決済を利用するには、①カード本体(あるいは後述するスマホに登録したときの状態) ②決済端末の仕様・設定(ハードウェア・ソフトウェア) ③店員さん側のスキルとお客さん側のスキル(宣言文) などがすべて対応している必要がある(2021年8月現在)
- ApplePayやGooglePayでも一部利用可能で、非常に利便性が高い一方、状況をより複雑にしている側面もある(後述)
- 基本的には店舗側でどのような支払い方法が可能かを示す「アクセプタンスマーク」が掲示されており、国際ブランドの横にリップルマークが表示されているかどうかで判断できる
- 決済端末にリップルマークがあるからといって利用できるとは限らない(端末のハードウェアとしては対応しているというだけ)
あと、ちょっと蛇足的な話なのですが、表記ゆれというか、誤記というか、覚え間違いというか、結構間違った表現もしばしばみられます。最も頻繁に観測される誤記は、
- Visaタッチ
- Visaタッチ決済
- Visa Touch
あたりです。正式には
- Visaのタッチ決済(←公式へのリンク)
です。しかし、先日楽天カードからのメールをみると、堂々とそこに「Visaタッチ」と記載されていました。イシュアでさえも誤記がありうるということなのですね。
なぜこの話題をするかというと、今は亡きサービス、
- Visa Touch(アーカイブ)
というものがあったからなんです。Visa TouchはVisaブランドで、それのMastercard版でSmart Plusというものもありました。これらは、iDやQUICPayと同様、Felicaチップを利用したポストペイタイプの電子マネーで、私は三菱UFJニコス発行のK-Powerカードという最大還元率6.67%を誇るカードで利用していました。セブンイレブンでは使えず、ローソンとかESSOとかで利用できていたと記憶しています。ちなみに、まだいたのか、という状況も観測されています。
というわけで、私はTwitterでVisaタッチという表現を見つけると、Badボタンを押しています。嘘です。そもそもTwitterにBadボタンはないですよね。
「ApplePayで」「GooglePayで」
2021年夏の日本において、とくにコンタクトレス決済はApplePayとの関係を整理しなければなりません。GooglePayとの関係もあるといえばあるのですが、その話はまたの機会に。。。
ApplePayはコンタクトレス決済に対応しています。おもちのクレジットカードをApplePayに登録すれば、物理カードがなくてもiPhoneやAppleWatchをかざすとクレジットカードで支払ったことになったりします。iDやQUICPayとはまた違います。混同されているかたもいるようなので強調しておきます。ここではApplePayとの関係について、いくつか具体的な文脈をあげて、理解を深めていきましょう。以下の文章について、どのように感じられるでしょうか。
- ドトールでApplePayで支払う
- ドトールで「ApplePayで」と宣言して支払う
- ローソンでApplePayで支払う
- ローソンで「ApplePayで」と宣言して支払う
- JCBブランドのカードをiPhoneに登録するとQUICPayが使えるようになる
- ApplePayを決済端末にかざして店舗で利用する場合、Touch IDまたはFace IDでも認証が必要
- コンタクトレス決済をすると、暗証番号(PIN)入力もサインも不要
- セブンイレブンから宅急便を送るのに、ApplePayで決済する
- メルペイをApplePayに登録したらMastercardマークがあったので店舗でMastercardコンタクトレス決済する
いかがでしょう。正しい表現と間違った表現が混じっています。上記文章の右に、コメントを追記しました。
- ドトールでApplePayで支払う⇒〇: 宣言に言及していないので〇
- ドトールで「ApplePayで」と宣言して支払う⇒×: この宣言では店員さんは困惑します
- ローソンでApplePayで支払う⇒〇: 宣言に言及していないので〇
- ローソンで「ApplePayで」と宣言して支払う⇒〇: ローソンはこの宣言に対応しており、レジにApplePayボタンあり。2021年8月現在はiD、QUICPay、交通系ICカードのどれかになる(コンタクトレス決済にはならない)
- JCBブランドのカードをiPhoneに登録するとQUICPayが使えるようになる⇒△: 登録できないものもあるし、登録できてもQUICPayでなくiDになるものもある(例: イオンカード)
- iPhoneを決済端末にかざして店舗で利用する場合、Touch IDまたはFace IDでの認証が必要⇒△: エクスプレスカードの場合認証不要。そうでない場合はApplePay宣言、iD・QUICPay宣言、クレジットカード宣言いずれも認証が必要
- コンタクトレス決済をすると、暗証番号(PIN)入力もサインも不要⇒△: PIN入力は不要だが、店舗や金額によってサインが必要(詳細調査中)。一説によると以前イオンではサインを求められていたが現在は不要になっているというツイートが散見される
- セブンイレブンから宅急便を送るのに、ApplePayで決済する⇒〇: ヤマト運輸の「宅急便をスマホで送る」サービスはApplePayのネット決済対応しており、事前にApplePayで支払い、決済完了後のバーコードを店舗で見せることで送ることが可能。また、送り状を店舗で手書きでかいてはそうする場合も、普通にiPhoneをかざして支払うことも可能
- メルペイをApplePayに登録したらMastercardマークがあったので店舗でMastercardコンタクトレス決済する⇒×: ApplePayにおけるメルペイは、店舗でiD決済またはネット決済。Mastercardのデバイスアカウント番号が割り振られているが、前述のネット決済にのみ使っているのでは
ついこの間まで、「ApplePayで」はローソンのみで利用できた宣言だったのですが、最近セブンイレブンのお客さん側の画面で決済方法を選択するようになりましたが、「その他」⇒「ApplePay」というボタンがあるようなので、最終的に何で支払うかはiPhone側で決定することが可能なようです。
「~で支払う」という場合、一般的には
- Suica(交通系ICカード)で支払う
- iDで支払う
- QUICPayで支払う
- PayPayで支払う
という言い方は直接的でわかりやすいと思います。一方で、
- ApplePayで支払う
という表現は今一つどう理解してよいかわからない、という方もいると思います。
ApplePayやGooglePayは、交通系・iD・QUICPay・コンタクトレス決済などを含む決済手段のプラットフォームとしての位置づけなので、混乱が起こるのだと思います。レイヤーが1段階下にあるイメージです。ローソンなどは、そのプラットフォーム自体に対応しているということになるのでしょう(具体的にどのようにソフトウェアが動作しているのかは私は知りませんが、私は下記画像のように理解しています)。
とにかく、決済界隈に疎い人からするとわかりにくい状況だと思います。プロから見ると、チンプンカンプンでつっこみたくなる記事なんかもたまに発見されています。
コンビニでの支払い
コンビニ4社(ローソン、セブンイレブン、ファミリーマート、ミニストップ)におけるコンタクトレス決済の注意点などを見ていきましょう。
ローソン
Visa、Mastercard、JCB、AMEXのコンタクトレス決済が利用可能です。JT-R600CRという端末です。
宣言は、「クレジットで」でOKです。レジ側では「クレジット」を選択することで、磁気カード、ICカード、コンタクトレスのどれが来ても端末側で勝手に判断してくれます。マクドナルドも同じ端末ですね。宣言方法も同じでOKです。
ローソンの場合は、レジ側に「ApplePay」ボタンがあり、ApplePay宣言でも決済は可能ですが、コンタクトレス決済ではなくiDまたはQUICPay決済となりますので、三井住友カードNLで5%還元を受けたい方は2.5%に目減りしてしまうので注意が必要です。
au PAYプリペイドカードやソフトバンクカードなどの磁気カードは上記画像の[7]の部分にスワイプさせればOKです。ICカードは手前から[6]に差し込んで暗証番号を入力します。コンタクトレスの場合は[2]の部分にかざして「ポー」となればOKです。
セブンイレブン
Visa、Mastercard、JCB、AMEX、ダイナースのコンタクトレス決済が利用可能です。端末は JT-R610CRという端末で、ベースはローソンと同タイプだと思うのですが、組み込みを想定したセパレートタイプです。
「クレジットで」と宣言して店員さんに選択してもらうのもよいですが、自分で客側の画面で「クレジット」を選択してもOKです。非接触ICカードアンテナユニットにかざせばOKです。ローソンのように「ポー」という音はなりません。長い時間かざしていると、「ピー」とエラーのような音が鳴りますが、そのときはもっと早めに離しても大丈夫立った、という意味です。いずれにせよ、磁気カード、ICカード、コンタクトレスのどれが来ても端末側で勝手に判断してくれます。セブンイレブンもローソン同様「ApplePay」というボタンがあるのでおそらく使えるのだと思いますが、私はまだ使ったことがありませんので、使ったらこの記事を修正したいと思います。
ファミリーマート
Visa、Mastercard、JCB、AMEX、ダイナースのコンタクトレス決済が利用可能です。端末は 深センPAX社のQ28をNECが日本仕様に仕立てたモデルです。
あ、これは古いですね。楽天Edyではなくビットワレット時代のEdyマークが懐かしい気もします。気を取り直して、下記がPAX Q28です。
「クレジットで」と宣言して店員さんに選択してもらいましょう。 かざし方は写真のような感じですね。この端末の特徴は、磁気カードでもICカードでも同じ個所に挿入して読み取ることができる点です。IC非対応のau PAYプリペイドカードなどを出してICカード専用の箇所に挿入を促されたときの店員さんとの会話は若干ストレスを感じることがあると思うのですが、そんな心配がありません。ただ、客側からのアクセスが悪く、ちょっと差し込みにくいです。
また、この端末は家電量販店のエディオンやカフェのドトールなどでも使われています。こられの店舗で「クレジットで」と言ってもコンタクトレス決済にはなりません。店員さんが空気を読んでくれる可能性は上がってきていますが、「クレジットのタッチで」と伝えましょう。店員さんの操作手順が「クレジット」⇒「タッチ」のようになっているからです。
ミニストップ
コンタクトレスはVisaのタッチ決済のみ対応しているようです。端末は下記のJT-R700CRなのですが、これはイオンなどで利用されている白いタイプで、ミニストップはこれの黒タイプです。また、客側の電子マネー選択ボタンは使えないようになっており、各マークもありません。
宣言は「クレジットで」で大丈夫です。MasterやJCBでコンタクトレス決めたいと思ってもできないようです。
以上、コンタクトレス決済についておもいのままにつらつらと書いてみました。ぜひTwitterで意見などいただけると嬉しいです。
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